読書感想文は、どのような流れで書けばいいのか?
構成、つまり・・・
「何を」+「どの順序で」書くか
これが決まらず、何も書けないでいる人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、読書感想文を書く際の「構成のアドバイス」をお伝えいたします。
その前に「読書感想文」の目的を知ろう!
そもそも、どうして読書感想文の宿題がだされるか?
課題として提出させるからにはそこには何らかの目的があるはずです。
課題図書や、学校の図書館に置いてある本は、
健全な人間になるための学びが得られる本として学校が薦めている本なのです。
そのため、読書感想文を書くにあたっては選んだ本を読んだことにより、
どのような学びを得ることができたか
・・・この点を意識して書くことが重要です。
読書感想文の「文章構成」アドバイス
読書感想文の課題を与えるもう一つの目的は、文章によって「表現する能力」を育むことです。分かりやすく説得力のある文章を書けるようにすることですが、読み手にとって「分かりやすい文章」とは、言い換えれば「理解しやすい構成」で書かれた文章です。
「文章を書く順序(構成)」が分かれば、それに当てはめるようにできるため文章を書くのが楽になります。
その際、文章を書く順序を質問形式にしておくと書くことを思いつきやすくなるでしょう。
例えば、次の順序で考えてみれば、読みやすい感想文が書けるはずです。
なぜこの本を選んだのか?※「書き出し方」のページも作りました!
⇒ 読書感想文の「書き出し」例文8パターンどんな内容の本だったか?
全体的な印象や作者が伝えたかったことは?
特に印象に残った点や気になった発言は?(1つめ)
・なぜその点が印象に残ったのか?
・もし自分が登場人物の立場だったとすれば?
・自分の似たような経験をあげれば?
・考えさせられた点は?
特に印象に残った点や気になった発言は?(2つめ)
・なぜその点が印象に残ったのか?
・もし自分が登場人物の立場だったとすれば?
・自分の似たような経験をあげれば?
・考えさせられた点は?
この本で「発見」したことや得た「教訓」「反省」は?
このように 「書きだすための質問」 があると、何もないところから考えるより遥かに楽です。
もちろん必ずこの順ですべてを書く必要はありません。
あくまで書きやすくするための一例です。
必要な分量に合わせ書きだすポイントの数は調整してください。
「読む前に描いたイメージと実際の内容とのギャップ」
などを入れてみるのも感想文らしくなりよいでしょう。
注意点としてはあらすじを長々書き過ぎないことです。
内容については、おおよそ「こんな感じのストーリー」だとわかればよいのであって、読書感想文はその本を読んだ「あなたの感想」を中心に書くべきものだからです。
文章の終わりの部分の書き方が分からない場合は・・・
「本書を読んで、主人公の○○な生き方(考え方)を、私もこれまで以上に意識しなければならないと考えさせられました。」
・・・というような感じでまとめると「読書感想文を提出させる目的」に適った内容になります。
つまり、読者である「あなた」に「心の成長」を与えてくれた本であったと伝わる内容にするわけです。
心の成長とは「新しい考え方の発見」や、生きて行く上でこれまで以上に「重要視すべきことへの気づき」を得ることです。
「考え方の幅を広げること」または、「多角的な見方ができるようになること」といってもよいでしょう。
それらを「その本が教えてくれた」ということが伝わる感想文を書くことです。
心の成長を伝える
・新しい考え方の発見があったこと
・これまで以上に重要視すべきことの気づきが得られたこと
・考え方の幅が広がったこと
・多角的な見方ができるようになったこと
文字数が不足している場合は・・
書くことが思いつかず、文字数が足りない場合は「例えば」や「もし」、「なぜなら」を入れられるところはないかを考えてみましょう。
「例えば」や「もし」で事例をあげ「理由づけ」を書くことで文字数は増やせます。
そのほかにも、文章を「。」で終わりにした場合、その後に・・
「確かに」や
「だとすると」
「ところが」
「しかし」
「さらに」
「そればかりか」
「それだけではありません」
「裏を返せば」
「別の言い方をすれば」
「つまり」
「要するに」
「また」
・・などの接続詞をつなげることで、文章を付け加えることができます。さらに・・
「一般的には」
「これまでは」
「これまでの私は」
「昔は」
「以前の日本では」
「最近のニュースでも」
「海外では」
「はたしてそれは本当でしょうか」
「少数意見の中には」
「感情的な意見ではそうなるかもしれませんが」
「以前の私はそう信じて疑いませんでした。しかし・・」
などの言葉を文章に盛り込むことで、そのテーマを多角的に考察することができます。
多角的な考察ができることを文章で示すことは、先に述べた「心の成長」のある人間だと、読者に感じてもらえる文章にできるということです。多角的な考察のできない人間は「独りよがりの人間」であり「子供の思考」から進歩していない人間ということです。
考え方を比較させることで文章の量は増やせる
「科学は比較することから始まる」ともいうように、比較は思考に科学性・客観性を加えることでもあります。
例えば、そのテーマに対して「以前の私」と「今の私」の考え方を比較させるスタイルにすれば、同じテーマについて2倍の文章を書き出すことができます。
読書感想文は「感想」といいつつも、その感想を持つに至った理由づけをしっかり書くことが重要です。比較によって2つの考え方を理由とともに説明すれば、おのずと文章の説得力も量も増やせます。以前と今との「理由づけの変化」を比較することは、心の成長を的確に伝えることにもなるわけです。
頭の中でインタビューをしてみる!?
発想法の一つに、そのテーマに対して「頭の中で他人に意見を求める」という方法があります。つまり、そのテーマに対してあなたの頭の中で、有名人やその分野の権威者、日頃ユニークなコメントをするタレントや友人などにインタビューをしてみるわけです。
すると「普段の自分の意見」とは異なる「深層意識の中の自分の意見」を引き出すことができるのです!
「頭の中の他人に尋ねる」ことで、「自分らしくない自分の意見」までをも、抵抗なくアウトプットできるようになるのです。つまり「自分らしい自分を装う必要のなくなった環境」のもとでは、メンタルブロックがはずれるため、自由な発想ができるというわけです。
空想会議も行う
一人ひとりにインタビューする方法のほか、複数の人物に「空想会議」をさせてみるのもよいでしょう。「朝まで生テレビ」のような激論を、あなたの頭の中で行わせ、あなたはそこで出た意見をもとに文章にまとめるわけです。
そのようにして得た多角的な意見を参考にすれば、文字数が不足することはなくなるはずです。
以下でもう一つ書きやすい構成の例をあげます。
①読書前 ②読書中 ③読書後 の順で説明する
感想文はつかみどころがなく書きにくいものです。そこで読書感想文を、感想文ではなく「説明文」「解説文」だと考えてみましょう。
苦手意識のある「感想文」も「説明文」「解説文」だと思えれば楽に書けるのです。
時間の流れに沿って、次の3段階の場面ごとに「説明」するスタイルも書きやすい構成の例といえます。
②読書中の説明→ 読んでいる最中に「感じたこと」「思い出したこと」についての説明
③読書後の説明→ 「反省したこと」「改善しようと決意したこと」についての説明
文章構成としては、4段階に分けて書く「起承転結」が有名ですが、文章を書きなれていない人には、むしろ「はじめ」「中」「終わり」の3段階で考えた方が、文章は書きやすいはずです。そのうえで、中心部分を2つに分けるスタイルでよいでしょう。
そこで、読書感想文の場合も、時系列的に「読書前」「読書中」「読書後」の3段階に分け、先ほどの「質問」や「接続詞」と組み合わせることで「書くべきこと」を考え出しやすくできます。
2018年の「読書感想文対策」には
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書き方・考え方の例つきです
伝える「内容」を意識し「順序」にそって「説明」していく
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感想文、大変ですが頑張ってくださいね。
良いアドバイスをありがとうございました!
凄く勉強になりました。
私は、いつも佳作ばかりなので、今年こそ上の賞が取れるように頑張りたいと思います!!
とてもよかったです。
ありがとうございました。
とても参考になりました!